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青山学院大学<br>地球社会共生学部教授 <br> 桑島 京子 [KUWAJIMA, Kyoko]

青山学院大学
地球社会共生学部教授
桑島 京子 [KUWAJIMA, Kyoko]

世界の水問題と国際協力

第4回 2019/7/20(土)

青山学院大学地球社会共生学部教授   桑島 京子  [KUWAJIMA, Kyoko]

 当たり前のように蛇口をひねればきれいな水が飲める国、日本。
 地球にある水資源は限られており、特に開発途上地域では、人口増加とともに、水源の枯渇や水質汚染の問題も深刻化しています。一定の降雨量のある地域であっても、人々が安全な水を利用できるとはかぎりません。水が原因で感染症に罹患し、命を落とす人々は、世界全体で年間84万人いるといわれており、その6割以上が乳幼児です。世界では、2000年に合意された「ミレニアム開発目標(MDGs)」、2016年度からはそれに続く「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標のひとつとして、全ての人々の安全で入手可能な飲料水への公平なアクセスの確保を目指してきました。過去25年間の改善成果として、「改善された水源を常時利用できる人々の割合」は全体の9割までに改善しましたが、いまだ6.6億人が取り残された状況にあります。
 では、安全な水を確保できるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。劣悪な給水事情を抜本的に改善することはできるのでしょうか。改善を阻む要因、改善を促進する要因は何でしょうか。そして、日本はこの「水問題」にどのような貢献ができるのでしょうか。
 本講義では、途上国でも都市部への人口集中が進み、水道管網整備による給水事業のニーズが高まっていることを踏まえ、都市部の水道事業(「都市給水」)の改善に焦点をおきます。具体的には、世界でも有数の優良水道事業体といわれるようになったカンボジア?プノンペン水道公社を事例にとり、「腐敗の温床」と言われた同公社がどのようにして大変革を遂げることができたのか、かれらの改善努力に対し、国際協力、なかでも、日本の援助はどう寄り添ってきたのか、20年に亘る給水サービスの改善過程と援助の役割について考えます。講義では、まず世界の水問題を概観したうえで、プノンペン水道公社の経験を通じ、水問題と私たちとのつながり、そして、日本ならではの国際協力を考えたいと思います。

プロフィール

青山学院大学地球社会共生学部教授
桑島 京子 [KUWAJIMA, Kyoko]


米国ハーバード大学院修士課程修了(東アジア地域研究専攻)。独立行政法人国際協力機構産業開発?公共政策部長、客員国際協力専門員などを経て、現在青山学院大学地球社会共生学部教授。専門分野は、国際協力論、社会開発論、公共政策?ガバナンス論。開発援助の仕事ではアフリカも足繁く訪れるも、特に関心のある地域は、東?東南アジア。
主な著書に『プノンペンの奇跡 世界を驚かせたカンボジアの水道改革』共著(佐伯印刷、2015年)など。